前世で非モテ理系大学生だった俺がチート能力で異世界モテ=ハーレムを築きたい! 後編

日記 8月30日
前回のあらすじ
さ~て前回の『リケ=モテ』は~?
理系大学生、逢導照は尾てい骨強打によるショック死という情けない最期を遂げた。
死後の世界で出会った神様にその死に様を気に入られ、異世界転生のチャンスを得た逢導は、神様との激論(漫才)の末、左拳で殴った相手を消滅させる能力『パワーフィスト』を提示されたが……!?
「天地万物を破砕する必殺の拳、万象崩壊の必殺能力……『パワーフィスト』!!左拳で殴った相手を一撃で消し飛ばせるという力である。良さげであろう?」
「あー、なるほど。」
「冴えない男が実は超実力者……ド定番であろ?」
「いやー、そういうのは見た事あるんですけど、こりゃダメですよ。第一、僕平均的現代日本人ですよ。いかにパンチ当てれば勝ちといえど、そもそもゴブリンやドラゴンの猛攻を掻い潜って拳当てられないでしょ。」
「いや、その辺は防具やら作戦やら仲間やらでな……」
「普通にドラゴンファイアで火あぶりとか防具でも無理ですよ。よしんば防具が耐えられても、中の僕がこんがり肉間違いなし。あと作戦も、多分行き着く先は城壁から定期的に左手だけ出すみたいな奴隷業務以外ないはずです。」
「じゃあ仲間と何とかすればいいではないか。」
「仲間もこんな変なやつ雇ってくれないでしょ。それによしんば雇ってくれたとしても、仲間のドジっ子騎士系女子に左手でツッコミ入れた瞬間グロ漫画間違い無しのスプラッタ確定ですよ。とにかく、他のがいいですね。」
「ううむ、一理ある。では、そこまで死にたくないのであれば、これはどうだ?穿つこと能わず、静謐なる絶対盾……『防御は最大の攻撃なりや?』!!腕をクロスして踏ん張るとあらゆる攻撃を弾けるようになる能力である。」
「はいはい。防御系ですね。」
「うむ、これなら、死ぬことはないだろう?」
「いやー、でもこれ、詰みますよね?これこそ仲間必須でしょ?まず仲間ができなくて1詰み、仲間ができたとして、仲間が死ぬくらい強い敵と戦ったら防御解けなくて置物化で2詰みです。」
「その辺は敵の技量を見極めてだな……」
「いや、考えてみてください。そんな技量のあるパーティメンバー、僕いらないでしょ。多分僕の活用法、敵の斜線切る柱ですよ。こりゃモテません。あとなんかクロスすると無敵って小学生の考えるバリアみたいでダサすぎませんか?」
「……なるほど、前線は嫌ということか。ならば、これはどうであるか?流れた血を逆巻くる、還命の手……『癒命神手』!!息を吐きながら手をかざすと、どんな病も傷も治せる。」
「あーヒーラーかあ。微妙ですね。いくら頑張って癒しても、モテるのは癒されたアタッカーたちでしょ?それに、多分なんですけど、ヒーラーに癒されたいってのは多分なんか包容力とか母性的な何某も求めているんですよ。」
「いや……真剣に癒して欲しいと思ってるはずだが……」
「ほんとですか?じゃあ、実力はそこそこのめちゃくちゃ可愛いおっとり系お姉さんと、腕はピカイチだけどキモくてムサくてうるさい巨漢、どっちの病院行くんですか?」
「それは前者だな……」
「ほら、そういうことです。これでは餓死一択ですね。もしくは、ガチホモパーティでアーッ!。確認ですけど、心の傷は癒せないんですよね?」
「もうお前は性格的に暗躍役であろう……じゃあ、全ての秘匿を照らす、朝の神器……『オプネラ66』!!どんなトラップや鍵でも差し込むだけで、自動で解放できる66の万能鍵である。そして……全てを秘匿せし、夜の舞踏……『漆黒ノ布衣』!!身に纏った者のあらゆる気配を消し、見つからずに行動できる布だ。今なら2つセット!これ良いではないか〜!」
「はいはいはいシーフね!予想してた予想してた!論外です!」
「チッ……何故なのだ?」
「いや普通に考えてシーフはモテないでしょ!どうするの僕がこれで暗殺一本で魔王倒しちゃったら!他の勇者たちも町人も『え、魔王暗殺で倒されたの……?』ってやり切れない気持ちで困惑待ったなし。」
「いやいや、真っ当に評価してくれるだろう。」
「いーや!絶対に噂されますね。『覗き王』とか『侵入くん』とか噂されて、『浸入くん菌』を街中で付着させあうことになるんだ!魔王倒す前より漆黒ノ布衣大活躍ですよ。」
「……わかった、お前はもう街から出るな!商人として生きるのも立派な道だぞ。雲気を読み、霞を売りて玉を得る……『うりくゆりくも』!!何が値上がりして、何が値下がりするか、物の価値と市場の予測が100パー当たるようになる能力である!はい!もうこれに決定!」
「ハイ商人アウト〜」
「いや!もう金稼いでその金で女でもなんでも買えばいいではないか!」
「それ人身売買だから、異世界の倫理観としてもやりませんよ。」
「買わずとも、富豪の元には人がよってくるであろう。」
「いやーそれなんですけど、『真実の愛』じゃないですよね?そういうの僕異世界に求めてないんで。しかも、どっちかっていうと、僕の将来悪徳商人ですよね。刺殺されるか、美人局で転落人生しか待ってませんね。」
「はいはい……次!えー美味しいご飯が作れます!!!『美食倶楽部 』!!!えーめちゃくちゃ美味しいご飯が作れる!はいどう!?」
「オオ!?!?神さ〜ん!」
「おお!?!?(期待)」
「いいですね〜。これもうほぼ異世界じゃなくてもいい所がいいですね。これよく考えたら『らーめん再遊記』じゃないですか?そもそも胃袋掴んでモテる!みたいなのってだいぶ夢物語だと思うんですよ。料理が上手いからモテるんじゃなくて、顔が良かった人が付加的に料理もできてたみたいな。1次試験と2次試験ですよ。」
「はあ……じゃあもうとっておきであるぞ?本来はこういうメタ的能力はやらないのであるが……世界を俯瞰する、文字通り神の領域……『デバッグ用ステータス確認コード』!!!HP、MP、攻撃力、好感度、危険度……あらゆる数値が確認できるようになる能力である……」
「いや、それは流石にすごいですね…… こんなものでてくると思ってなかったです……」
「特別にこれにしてやろ…」
「こんな要らない能力残ってるなんて……」
「はぁ〜!?!?!?」
「いやそれ結局数値で見えるだけで身体能力変わんないじゃないですか!パワーなんとかと同じですよ!例えば街でチンピラにカツアゲされた時、『戦闘力53万か……対する僕の戦闘力は……5だ……!(クイッ)』ってやって106000回殺されるなって予想するしかないじゃないですか!しかも肉体ダメージならまだいいですよ!これが精神系なら目も当てられませんよ。ダウナー系魔法使い女の子とか、ナマイキ系後輩シーフといい感じになったな〜、好感度100!やったぜ!と思ってたら、『金髪=モテ=勇者への好感度、2万』とかってあったらもう自殺しますよ!HPみながらゆっくり!」
「ああああああ!!!!じゃあもうお前が選ぶが良い!これにあるから!!」
「うおっ、カタログ……?分厚……」
「はい、決めたら呼んでね!もう儂は知らん! 以上!!!」
「演奏系『うたのユウシャさまっ』……飛行系『肩甲骨飛行法の極意』……錬金術系『ユウー・シャアーと賢者の石』…… すごい、微妙なのしかない……。」
………………
「ちょっと神様〜」
「お!!!決まったか!?」
「いや、これ、なんかもっとモテに直結する能力ないんですか?『めちゃくちゃイケメンになる』とか。」
「無い!有っても嫌であるぞそんな能力で無双してるとこ見るの!カタルシス無さすぎであろう!」
「人生なんてそんなもんですよ。それにイケメンなら、全てが解決します。攻撃?微笑でイチコロ。防御?超絶イケメンに手は出せない。回復?イケメンの笑顔で元気いっぱい。隠密と罠解除?敵に囁いて開けてもらえばいい。商業?金なんかなくてもヒモになり放題。料理?『僕の愛情を込めました』なんて言っておけばいいでしょ。数値確認?好感度なんか常にMAXでしょ。ほらネ?」
「嫌!!!ダメだ!!!他の能力だ!」
「は〜〜〜。良いんですか?神様、僕のこと見て楽しもうとしてますよね?僕を異世界に送り付けたあと、僕は即刻全裸になってヨーデルを歌いながら走りまくりますよ?そんなの見たら、絶対トラウマになりますよ?」
「それは……想像しただけで吐き気がするであるな……」
「でしょ?でもイケメンなら、何とか耐えれません?だからホラ!早くイケメンカモン!ホライケメン来いよ!」
「……わかった。認めよう。」
「マジ!?ヤッター!!!」
「しかしお前を送るのは、元の非モテ地獄だがな!!!」
「え……....... . . . . .
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なんだかこの2日間の記憶がありません。なぜかいつもより疲れている頭をフル回転させて、覚えている限り記憶をさかのぼる。僕は逢導照。皆さんお馴染み、非モテンドグランプリ受賞、鬱男コンテスト金賞、全米が泣いた阿呆、最近夢見が悪い逢導照です。
昨日は確か教授から命じられた、QEDの全ての2-loopの計算とかいう、地獄でさらに罪を犯した人がさせられる刑罰みたいなことを18時間かけてやって、それから帰っている途中に、国分町を走ってるくらいのスピードの車(ドライブスルーを走ってるくらいのゆっくりさ)に、軽く轢かれ尻もちを着いた際に尾てい骨を打って、激痛に悶え……た時になんて対応するのがいいかを友達と飲み屋で議論して、家に帰ったあと…………
「あ、2日間異世界系ラノベずっと読んでたんだった。」
今日も、平凡な日々です。